
世界最古の現役客船だった「デュロス」ですが、その後の動向は情報が錯綜している様です。南アフリカでの保存案はまだ死んでいないとか、いやいや南アフリカの方は駄目になったがシンガポールはまだ動いているとか、そんな中にシンガポールに係船中の「デュロス」自身の情報もありました。それに拠れば「デュロス」の内装は剥がされ、更にブリッジ前にあったクレーンと衛星アンテナも下ろされたとのことでした。確かに海外の客船サイト「ssMaritime」に載った現地2月25日付の写真を見るとクレーンはとも角レーダー・ドームが見当たりません。
内装が喪われた時点で最早この船は客船とは言えず、従ってギネス記録も返上ということになるでしょう。更に衛星アンテナが無くなったという事は、自力航行は実質不可能になったのと同じです。詰まり船としての機能も殆ど奪われてしまったということです。
「デュロス」はどうやらデッド・シップとなってしまった様です。恐らく無線局も閉局してしまったでしょう。こうなると無線で船の航跡を表示するインターネットのサービスを用いて船の動静を「監視」することも出来ません。実際2月26日を最後に例えば「Live Ship Map」では信号が途絶えていますが、寧ろそうやって人目に付かない様にしておいて、電撃的にスクラップ送りにするのはビンテージ・ライナーの船主としては最近のトレンドです。
以前の海外サイトの記事では「デュロス」の持ち時間は2月一杯とありました。月が変わって3月になるところでレーダー・ドームが下ろされたりした事実は、望ましい未来を否定しない情報も漏れ伝わる中、それを示唆している様に余り思えないところです。
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以上書いた上で今日海外の客船サイトを見ていたら、「デュロス」の船主が彼女を少なくとも西インドの解体業者へ売るのは考え直した、という様な記事が載っていた。どうやら環境汚染とかそういう関係で設備の整わない西インド送りには宗教団体である船主の立場上難しくなったらしい。
話が違う、というのもごもっともで実は僕の記事はちょっと前に書いて公開予約してあったものなのだ。その後「にっぽん丸」観覧クルーズについての記事を割り込ませたから公開日をずらしたのだが、内容は古いまま放ってあったのだ。
そんな裏話はとも角、これをもって「デュロス」が救われたとするにはまだ早い様に思う。しかし船主はこの一件によって「デュロス」を再活用しようという人々に売った方がやかましく言われないで済みそうだという考えに傾いたらしい。そして近くそれは合意に達し、シンガポールで引渡しが行なわれるという。それでも無邪気に朗報と喜べない辺り、客船ファンというものが如何にひねくれているか、ひねくれさせる事態が幾度繰り返されたか、判ろうものだ。希望は持ちたいが期待し過ぎて巨大な失望に見舞われるのは、せいぜい「マルコ・ポーロII」で打ち止めにして欲しいのである。(2010年3月5日追記)
(外部リンク)
>「ssMaritime "Save the MS Doulos Campaign"」(ssMaritime、オーストラリアの客船ファン、ルーベン・グーセンス氏のサイト。「デュロス」の公式歴史ガイドも務める。)
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